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呼吸法で獲得した心の平静を保つには?生活に役立つ七つの知恵。 皆さん、呼吸法は実践されていますか。私はひどい肩こりが悩みでしたが、呼吸法を始めてから大分軽くなったように思います。これもストレスがいくらかでも解消されたおかげではないでしょうか。呼吸法の目的のひとつは心の平静を得ることです。呼吸法を実践しているあいだ精神統一がなるだけでも充分効果を得られますが、やはり日常生活の中で何をしていても、余計なことを考えないようにできれば、これに越したことはありません。禅で有名な白穏禅師は「せぬ時の座禅」と言い、「動中の座禅は静中の座禅の百千億倍の功徳がある」と言っておられたそうです。つまり座禅をしないときに座禅の気持ちで生活することが非常に大切だという教えです。お釈迦様の教えを中心に生活に役立つ七つの考え方を紹介いたします。1.心こそすべてである『法句経』にこうあります。「すべては心より生じ、心こそ主人公なり穢れたる心にて話さば、苦しみから逃るるなからん」幸福も不幸も心の所産です。人生を変えようと思うなら、まず心を変えることです。呼吸法はそのための手段のひとつに過ぎません。2.恨み、ねたみは幸せを生まないやはり『法句経』には「罵れるものを恨み、害を与えるものを憎み、自分に勝つものを羨(うらや)み我から奪えるものを恨むならば、恨みの止むことなからん」と、あります。憎しみ、恨み、ねたみ、そねみ、こういったものは尽きる事がなく、また憎しみが憎しみを生むというように負のスパイラルを形成します。このような負の感情から、いかに心が離れていられるかが重要です。3.忍耐の必要性『法句経』はこう教えています。「恨みに報いるに恨みをもってすれば 恨みの尽くることなし恨みに対するに忍をもってする これを如来の法と名づく」理解しても実行するのが難しいのが怒りのコントロールですが、それには普段からの訓練が重要です。「その6~7」でお話した「身念処」はその訓練のひとつです。4.人の過失を見るな『法句経』はこう教えています。「他人の過失を見るなかれ 他人のなさざることを口にするなかれ自己のなしたること なさぬことのみに目をとめよ」こうしたことが募っていくと、憎しみ、恨み、ねたみ、そねみに発展していくのです。小さいうちならば眼をつむることも容易です。5.他人の悪口を言わない『法句経』はこう教えています。「人を傷つける言葉を言うなかれ 言われしものは必ず言い返す怒りを含む言葉は苦痛を与え その報いは必ず我が身に至る」人の過失に眼をつむることができないと、こうなってしまいます。6.他人の批判を気にしすぎない『法句経』はこう教えています。「ひたすらに非難さるる人はなし ひたすらに称賛さるる人もなしいにしえも今も未来も しかあらん」また、このようにもあります。「黙っている者も非難され、多く語る者も非難され 少し語る者も非難されるこの世に非難されない者はいない」そして、このように教えています。「勝つものは恨みを受ける 負ける者は夜も眠れない勝ち負けを離れた者は 寝ても覚めても安らかである」7.念を継がない私たちは、いやなことほど思ってしまいますし、思い出してしまいます。そういう時は念を継がないようにしましょう。「念」とは思い出すことなどです。何かいやなことを思い出してもそれを発展させないようにしましょう。思い出した事柄に捉われると、どんどんといやな思いが増幅してしまいます。ですから思い出してしまったとしても、それに捉われず次のことに意識を向けることです。それがつまり念を継がないということです。仏教は、自分にないものを努力して獲得しようという教えではありません。もともと持っているものに気づき、持っているが使っていない力を使おうという修行です。潜在能力などというと大袈裟なようですが、呼吸法も同じです。「ゆっくり」と「かすか」な呼吸をすることで、自律神経をコントロールし、セロトニンの分泌や、抗酸化酵素の増加を促し、ストレスから開放され心の平安を得る。これもすべて自身の持っていた能力を引き出したに過ぎません。「磨いたら、磨いただけの光あり、何の玉でも性根玉でも」(性根玉=性根のこと)これは山本玄峰老師(戦前戦後に亘る政財界要人の心の師、影の指南役として知る人ぞ知る大人物)がいつも口ずさんでいた言葉だそうです。自身の能力を信じ、本当の自分に気づくことが重要です。それには毎日少しずつでも努力することです。そのためには明るい心を持つことが大切です。七つの教えはすべてこの「明るい心を持って生きる」ための知恵です。そして呼吸法はそのための手段です。今回で「お釈迦様の呼吸法」は終了です。みなさんもぜひ呼吸法を実践し、ストレスを吐き出して、幸せを吸い込みましょう。(辻 康則)