復興応援動画

3月11日に発生した東日本大震災により、犠牲になられた方々のご冥福を
謹んでお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方々にたいしまして、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。

以前から募集していた写真を、復興応援動画として編集し配信しています。
こちらをご覧ください。

ログイン

プレミアム会員はまずログインしましょう。
ログインすると会員限定ページが
ご覧になれます。
※ユーザ名・パスワードは半角でお願します。

オートログイン

うまくログイン出来ない方は
こちらのページを参考に
設定をご確認ください。

ユーザ名・パスワードを忘れた方は「お問い合わせ」よりご連絡ください。

PHP Module

トリウム溶融塩炉ってなんだ?Part2
情報サイド - コラム・長いものには巻かれるな!(一般無料)
2011年 9月 08日(木曜日) 10:16
前々回に「トリウム溶融塩炉」が話題になっていることをお伝えした。メリットばかり喧伝されていたが、いろいろ問題点も見えてきた。それは…。

記事の執筆後、「トリウム溶融塩炉」の問題点(欠点)について情報が続々と集まってきた。
要約すると概ねつぎのような問題があるようだ

1.炉内の放射線
2.高温の熔融塩に対する材料の耐久性
3.加速器技術の問題
4.ベリリウムの問題

問題点の解説の前に「トリウム溶融塩炉」についておさらいをしておこう。
「トリウム溶融塩炉」とはウランの替わりにトリウムを固体ではなく液体燃料として使用する「原子炉」である。天然トリウムは核分裂性の同位体を含まないため、点火源となる中性子供給源すなわち「火種」が必要で、これにはウランやプルトニウムが用いられる。つまり「トリウム溶融塩炉」などといってもウラン原発と同じ「原子力発電」に違いないのである。

thorium
(参考:株式会社TIS小型トリウム熔融塩発電装置「FUJI」完成予想図

「1.炉内の放射線」
一番の問題と思われるのが強力なガンマ線である。トリウム燃料サイクルでは天然トリウムを核反応で核分裂性のウラン233に変換するが、このウラン233は強いガンマ線を放出する。これは毒性が強いうえ透過性が高く遮蔽が困難である。ガンマ線を1/10に減衰するには厚さ4cmの鉛が、1/100に減衰するには10cmの厚さの鉛が必要といわれる。
「トリウム溶融塩炉ではプルトニウムが発生しないから安全」という風な解説がみられるが、危険な放射性物質はプルトニウムだけではないことは言うまでもない。プルトニウムは核兵器の材料として適しているというだけである。またキセノン・ジルコニウム・ニオブなどが生成されるが、いずれも放射性物質である。
いずれにしても炉内で放射性物質が生成されるのは変わりが無いどころか、その量はむしろ多い(約1.3倍)という試算もある。
つまり「プルトニウムが出ないから安全」というのは、トリウム溶融塩炉を正当化するための詭弁でしかないのである。

「2.高温の熔融塩に対する材料の耐久性」
原子炉本体(と核燃料集合体)に大幅な耐熱性が要求される。中性子毒の分離機構についても、高い耐熱性と高レベルガンマ線に対する安全措置(厳重な遮蔽と高度な遠隔操作)が要求される。また、燃料の液体そのものが熱交換器まで巡回するという構造のため、熱交換器(複雑な細管)が圧力差や熱応力、腐食などによって欠陥を生じると核分裂生成物(燃料)がじかに二次冷却側に漏れ、さらに蒸気タービンまで到達してしまう恐れがある。ここでも高い耐久性が要求されるが開発はこれからである。ましてや、現行の原子炉を転換して使用するなどは危険極まりないといえよう。

「3.加速器技術の問題」
「火種」としてウランまたはプルトニウムが必要であるが、実際の点火源となるのは中性子であるので粒子加速装置の利用には大きなメリットがある。つまりウランやプルトニウムの核反応で発生させている中性子を、直接加速器により供給するものである(加速器駆動炉)。しかしまったく研究段階でしかない。

「4.ベリリウム」
「熔融塩」の組成として考えられているのはフッ化リチウム・フッ化ベリリウムの共融塩であるが、このうちベリリウムは非常に毒性の高い物質である。ベリリウムおよびベリリウム化合物は、WHOの下部機関IARCより発癌性があると勧告されている。放射能以外の危険も併せ持っているという事である。

前回の記事で「基本技術は確立している」と解説した。私のあたった資料にもその様に書いてあった。しかしあらためて調べてみると本当に実用化するにはまだまだこれからのようだ。推進派は20年で実証可能といっているようであるがその根拠は明快とはいえない。さらに推進派が謳っているような安全性が本当に確保されるのか怪しいものだ。「プルトニウムが出ないから安全」のような、原子力発電安全神話と同じ論法を持ち出すようではまったく信用できない。

「トリウム溶融塩炉」についてはさらに調査・取材をすすめるつもりである。新しい情報は逐次報告しようと思う。

(安東 一雄)
 
© 2012 NAGAI pro
Joomla! is Free Software released under the GNU General Public License.