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耕さない田んぼは酸素発生装置だった。
生き物は嫌気性の微生物を除き酸素がないと生きて行けません。ワラを基点に大発生した植物プランクトンの大型の代表的なものに、サヤミドロと言う藻類があります。
このサヤミドロは真夏の水面を覆い、水中で光合成をして、酸素を放出します。従って藻類の発生した田んぼの水は、溶存酸素量の多い田んぼになるのです。耕さない田んぼに生き物が爆発的に増えるのは、この酸素のおかげだったのです。
田んぼは冬期湛水をすれば、何処でも生きものいっぱいの田んぼは出現します。米を500俵生産する農家は、500人の生命を預かっています。更に500俵の米を生産する田んぼの生きものの命も預かっているのです。
生きものは田んぼと同じく、子ども達や孫達に引き継がなくてはならない日本の財産です。機械化農法は、この視点が残念ながら欠けていました。畑にメダカもドジョウも住めないうえ、稲刈り後の田んぼの維持手法に配慮がなかったのです。しかし今からでも遅くありません。
田んぼの生きもの達の生命活動で稲作をすると言う発想は世界中にありません。しかし20年も追い続けた不耕起移植栽培に、冬期湛水と言う手法を重ねる事によって開花しました。
1994年に提案した、宮城県田尻町で、マガンのグリーンツーリズム作戦で、マガンが訪れた冬期に水を張った田んぼは、雑草が生えなかったのです。マガンが食べたにしては辻褄が合わなかった…
3月中旬にシベリアに帰った後も、5月中旬の田植えまで雑草が出なかったのです。ベジタリアンの彼らだけではなく別の要素があると調べたら、イトミミズやユスリカの幼虫などの土壌生物の仕業だと分かったのです。
今では4万羽のマガンが訪れ、ラムサール条約の締結地になっています。
つづく