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インターネット誕生40周年
情報サイド - 解説
2009年 11月 04日(水曜日) 16:24
先月、10月29日はインターネット誕生40周年の記念日だったそうです。

インターネットの原型となったコンピューターネットワークARPANET上の2台のコンピューターの間で初めて通信が行われたのが1969年10月29日、この時、送受信されたのは「lo」という二文字の不完全なメッセージでした。約640キロの距離を隔てたカリフォルニア大学ロサンゼルス校とスタンフォード研究所に設置されたコンピューターの間で送受信されたのです。
このメッセージは本当は「login」という単語でしたが、最初の2文字の受信が成功した途端にシステムがクラッシュしてしまったのだそうです。

クラッシュしたとはいえ、この控えめな挨拶の言葉からインターネットの発展が始まりました。そして今や、インターネットへのアクセスは、一部の人間の特権ではなく誰もが持つべき権利であると広く主張されるほど現代社会に欠かせないものとなっています。

ところで、このARPANETが実はアメリカ国防総省の高等研究計画局が開発したものだとご存知の方はどれだけいるでしょうか?
時は冷戦時代、いわゆるスプートニク・ショックをきっかけに国防総省が提案した多くの政策のなかに、このコンピューター・ネットワークもありました。
「核攻撃を受けても稼動可能な通信(およびコンピューター)システムを構築する」という、いささか物騒な発想の元で、ARPANETの構想は生まれたのです。

この目的を実現するために採用されたのが分散ネットワークとパケット交換方式でした。
技術的な詳しい解説は省略しますが、従来の電話会社が使用していた回線交換方式では、通信する2台の端末で通信回線を占有しなければならないため、非効率的で柔軟性が低い点が問題とされました。
これに対してパケット交換方式では、1台のコンピューターからのメッセージはパケットと呼ばれるデータの塊に分割され、複数のルートを通って別のコンピューターに送信されるため、使用不能の回線は自動的に回避されるうえに、使用効率も高い点が採用のポイントでした。

ARPANETの実用化以降、1970年代中頃にはネットワーク同士をつなぎ合わせる手法が開発され、そこから現在のインターネットが生まれることとなりました。
1984年には、ドットコム(.com)などでご存知のドメインシステムが確立されました。さらにその10年後には、初の市販Webブラウザ、Netscapeが発売されました。
今日では、1ヶ月当たり10億人を超えるユーザーがインターネットにアクセスしているそうです。

スプートニックの脅威に対応して組織されたARPANETの研究は軍事目的の実現に関する研究であるにもかかわらず、純粋に科学的研究をしようとする科学技術の本質を理解した行動がありました。
ネットワークが拡大し、更なる発展をしていくためには、多くの関係者からの新しい提案を採用し、それに伴う問題点やその解決策等を即座に公開することで、多くのネットワーク関係者が同じ認識に立って研究開発を推進する体制が不可欠です。
インターネットの急速な発展を支えてきたのは、これが当初は軍事目的のものであったにもかかわらず、民間の科学者と技術者の、純粋で科学的な発想を妨げないという考え方が徹底されたことが重要だったのではないでしょうか。

ARPANETの開発に参加したUCLAのコンピューター技師レオナルド・クラインロック氏は「人々がコミュニティを形成し、互いにコミュニケートし、アイディアを交換するのにインターネットがこれほど役立ち、これほど様々な形で日常生活に浸透しているとは驚きだし、非常に嬉しい」と語っています。
しかし、私はこの素晴らしい技術を独占するのでは無しに、世界中の人々に解放してくれた開発者達にこそ「ありがとう」を言いたいと思います。

(安東一雄)
 
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